歯磨き(ブラッシング)

口の中のトラブルのほとんどが、正しい歯磨きで予防することが出来ます。むし歯や歯垢の原因となるプラークは口の中で増殖し、食べカスは約24時間以内にはプラークとして歯や歯石に付着し、そのまま放置すると歯ブラシでは取れなくなります。そして、むし歯になります。

また、食事や間食ごとに歯を磨いているから時間は短くても大丈夫ということはなく、1回にかける時間が短ければ歯垢は落ちず5回でも10回でも洗っても意味はありません。時間を分散して回数を増やすより最悪1日に1回の歯磨きでいいので、時間をかけて丁寧に歯磨きをし、プラークを落とす方が効果的。

何度も歯を磨くことを習慣づけるのはなかなか難しいので、1回出来れば朝夜の2回で、確実にプラークを落とせます。プラークコントロールは、たまにやるのでは意味がなく、毎日の積み重ねが最も大切です。


*就寝前は、特に念入りに磨くことが大切
夜は特に細菌が増殖する時間で、非常に活発に活動します。寝ることで、口の中の清潔を保つ唾液の分泌が少なくなり、そこに食べカスがあれば雑菌は大喜びで、大増殖するのです。食後の細菌の数を基準にして、歯磨きをしないで寝た場合、朝起きた時の細菌の数は約30倍!!!

*輝く白い歯とピンクの歯ぐき
着色汚れ=ステインは、ある日突然付いてしまうのではなく、少しずつ蓄積するもの。知らず知らずのうちに、あなたの歯もステインで汚れているかも知れません。対策は、正しいブラッシング。歯垢を落としてむし歯を予防することが、ステインを落として歯本来の白さを取り戻すことにもつながります。さらに、歯ぐきを丁寧にブラッシングしてマッサージすることで、ピンク色のきれいな歯ぐきを手に入れちゃいましょう。

*マウスウォッシュは歯磨きの代わりにはなりません
時間がない、面倒だからと、「歯磨きはせずに市販の洗口液(マウスウォッシュ)で口の中をすすいでおしまい!」という人はいませんか?確かに口の中はさっぱりしますが、これだけでは、すっきり感はあっても歯についた汚れを十分に取り去ることはできません。きちんと歯磨きをしたうえで、最後の仕上げとして使用しましょう。

*ケア次第で、生涯使える「自分の歯」
一生、自分の歯でおいしく食べるために、歯を1本でも多く、健康に保ちたいものです。しかし現実には、私たちには、歯周病やむし歯によって次第に失われていく傾向にあります。厚生労働省の調査によると、60歳の人でも平均8本、70歳の人では平均16本程度の歯を失っています。それでは、年齢とともに歯が抜けるのは仕方ないことなのでしょうか?答えはNO。歯周病やむし歯は歯茎の健康をおびやかす「病気」です。毎日、適切なケアをすることで、歯周病やむし歯は防ぐことができますし、その結果、高齢になっても歯を失わずにすむのです。

10年前に比べ、1人あたりの平均のむし歯の数は減少傾向にあります。この背景には、小学校などで定期的に検診が行われ、早期発見により適切なケアがされるようになったことが挙げられます。一方、痛みがないまま進行するので、「歯周病予備軍」の人はまだ多いのではないかと見られています。

歯磨きの基本

Point1. 歯ブラシはペングリップで持つ
ペングリップで持つえんぴつと同じ持ち方で、軽く握ろう!
ギュッと力を入れて握ると、歯ブラシを左右に細かく動かしにくくなってしまう。
この持ち方だと、
・力の入れすぎで、歯や歯ぐきを傷つけることはない。
・狭いお口の中も、自由自在に動き回れる。

エナメル質表面エナメル質はキズつきやすい!
・再石灰化を繰り返し、歯ブラシで表面をきれいに磨かれたエナメル質の表面。

・つるつるしていて表面に溝が見えます。このみぞは歯ブラシの毛先によってできた傷。

・歯ブラシの動かし方が大きすぎると歯の表面が歯磨き粉の中に入っている研磨剤で削れてしまって歯を痛めることがあります。

Point2. 歯磨き粉の量は少なめ
歯磨き粉の量歯磨き粉の量は少なめで、歯ブラシの3分の1の量で充分。あまりつけすぎると歯磨き粉のスーッとした爽快感や泡で歯を磨いた気分になってしまいます。口の中がスッキリしても、全体を磨けていなければプラークはくっついたままです!!

Point3. 小刻みに1本ずつ
・歯ブラシの毛先を歯と歯の間に入れたまま1~2mmの幅で小刻みに動かして磨きます。汚れを落とすとともに、歯茎のマッサージ効果も得られ一石二鳥です。
・小刻みに1~2本づつ。力を入れずに1ヶ所20~30回磨きます。

詳しい磨き方はこちら

食べたら磨くを習慣に!プラークのつきにくい歯になるよ

歯ブラシ選びのポイント

自分に合った歯ブラシで
適切な歯ブラシの選び方ですが、本来は目的に応じて歯の隙間を磨くときは先の細い物を、歯垢を落とす時はかための弾力性のあるものを等と、それぞれにあった歯ブラシを複数本そろえて使い分けるのが理想的ですが、何種類もそろえて使い分けるのは面倒くさく、面倒くさくなっておろそかになるよりは、1本でしっかりと磨く方がいいです。

以下のような歯ブラシがプラークを効果的に除去することができ、口腔組織を傷つけることなく使いやすいものでしょう。

POINT1
ブラシのかたさはかたすぎると歯茎を傷つけてしまうし、やわらかすぎると歯の表面の歯垢がきちんと落とせないので普通のかたさのもの。歯周病の人は、まずやわらかなものを使い、歯肉に歯ブラシを当てても痛みがなくなったら普通のかたさのものに換えましょう。

POINT2
毛束間にすきまがあるもの。毛束があまり密集したものはかえって磨きにくく、不潔になりやすい。

POINT3
歯肉を傷つけにくい。痛みもなく磨ける。

POINT4
乾燥しやすく、毛の弾力もちょうど良い。

毛の材質も色がついているものは色素で材質の強度が落ちやすく、動物性の毛などは細菌が口に入る可能性があるので透明なナイロン製がよいでしょう。

交換の目安
歯ブラシの図★ワンポイントアドバイス
歯ブラシにはたくさんの細菌がついています。歯ブラシを使ったあとは、コップなどに逆さまにしておくと不潔になって細菌が増殖する場合があります。流水で十分に洗い、よく水を切って、風通しのよいところへ。

ブラッシング方法

歯ブラシの当て方
バス法1本ずつ小刻みに細かく振動させる

歯ブラシをイラストのように45°の角度で当てて、歯周ポケットの奥に入らせるように磨きます。歯茎のマッサージもできる磨き方です。

歯と歯茎の境目を磨く時におすすめのブラッシング

スクラッピング法歯ブラシの毛先を歯の面に垂直に当てて磨きます。大きく動かしすぎて横磨きにならないように注意しましょう。毛先を強めに押し当てて、小刻みな振動を与えると、毛先が歯と歯の隙間まで十分に届きます。このブラッシング法を使いこなせるようになると、歯周病の予防と治療にも効果的な磨き方です。

歯の表面を磨く時におすすめのブラッシング

たて磨きほぼ円柱形をしている歯を6面体と考えて表側の正面と左右、裏側の正面と左右の6つの方向から縦方向に1本づつていねいに磨いていく方法です。歯並びの悪い方におすすめの磨き方です。

歯と歯の間を磨く時におすすめのブラッシング

しっかり磨きたい場所はここ!!
磨き残ししやすいので、むし歯になりやすい場所!!ここを意識して歯を磨こう。

バス法
歯と歯茎の境目
ブラシの側面を使って
歯と歯の間
縦にして書き出すように
上、下の前歯の裏

平行にして
咬み合わせの面
バス法・スクラッピング法
奥場の外側
 

デンタルグッズ
歯垢を徹底排除!1日1回は歯間ブラシやフロスを使おう

基本の磨き方がマスターできたら、さらにステップアップ。自分の歯並びにあった歯間ブラシやデンタルフロスをチョイスして、より効果的なプラークコントロールをめざそう。
毎食後、歯みがきできない人でも、1日1回徹底的にプラークを落とせば、むし歯のリスクをかなり減らすことができます。それには、就寝前の念入りケアが最適です。

「睡眠中は唾液の分泌量が減るので、プラークが残っていると日中よりもむし歯菌が増えやすい状態になってしまいます。寝る前のケアは丁寧に、ぜひフロスや歯間ブラシも活用してほしいです。」

歯ブラシ1本でブラッシングすると、
歯と歯の間のプラークの除去率が50%
デンタルフロスや歯間ブラシを用いるとその数字は90%にまでアップします。

<フロスの使い方>
デンタルフロス1(1) フロスの長さは約40cm。(指先からひじまでが大体の目安)

デンタルフロス2(2) フロススレッダー(糸通し)の輪の中にフロスを通す。

デンタルフロス4(3) 両手の中指の関節辺りにゆるく巻きつけ、10~15cmくらいの間隔になるようにする。

デンタルフロス5(4) 両手の親指と人差し指でつまんでピンと張ってみたとき、幅が2~3cmになるようにする。

デンタルフロス6(5) 歯と歯の間にゆっくりスライドさせながら入れていきます。歯の側面をこするようにして汚れを落とします。
*コンタクトポイント ・・・・・・ 歯と歯の接触しているところを通過するときは少しきつい感じがしますが、パチンと勢いよく入れると歯ぐきを傷つけてしまうので注意して下さい。

場所によって使い方が変わります
場所による磨き方の違い
磨き方
磨き方
歯と歯ぐきの境目よりちょっと下、つまり歯ぐきに少し隠れるまでフロスを入れます。
ここが一番歯垢がたまりやすい部分。そして、歯に合わせているフロスがVの字になるように!
沿わせたらゆっくり前後に動かしながら上へ。歯の片側を掃除し終わったら、もう片方の歯にも沿わせてお掃除しましょう。次の歯間に移るときは使用済みの部分をずらして、常に新しい部分でお掃除して下さい。すべての歯間をお掃除し終わったら軽くうがいをしましょう。
注意点

カウンセリングをおこなっております

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