間食を減らし、食後のオーラルケアを習慣に

食べ物や飲み物に含まれた糖分をエサに、酸をたくさんつくり出すミュータンス菌。この酸が歯のエナメル質の表層下から大切なカルシウムやリン酸を溶かし出してしまうことを脱灰(だっかい)と言う。そしてその後、脱灰を起こした部分では唾液が活発に働いて、失われたミネラルを補充する。その働きが再石灰化。歯の表面では飲食のたびにこうした脱灰と再石灰化が繰り返されている。おやつなどの飲食回数が多いとむし歯になりやすいのは、脱灰が何度も起きて口の中が酸性状態になることが続き、再石灰化が追いつかなくなるため。

下のグラフは、1日3度の食事とおやつ以外は食べ物を口にしない人と、3度の食事のほかに間食をする人の比較です。頻繁に食べ物を口にする人は、1日に何度もお口の中が酸性になり、むし歯が発生しやすい口内環境にあります。キャンでディーやジュースなどをしょっちゅう口に入れていると、それだけでむし歯になりやすいのです。食事はできるだけ「まとめて」、「間食を減らす」を心がけてほしいです。規則正しい食生活を送ることは、口内環境にとっても大切なことなのです。正しい食習慣とオーラルケア習慣を身につけ、いつまでも健康な歯を保ちましょう。
間食と口内環境

フッ素で歯質を強化

「フッ素」は、化学的に合成されたものではなく、自然界に広く分布している歯を強くする自然元素のひとつです。地球上の全ての動物や植物にも含まれており、私たちが毎日飲む水や、海産物、肉、野菜、果物、お茶など、ほとんどの食品にも微量ながら含まれています。もちろん、これらを摂取する私たちの歯や骨、あるいは血液中にもフッ素は存在しています。歯質強化効果が最も高いことから世界各国でむし歯予防に利用されています。フッ素は他の薬品と同じように、適量を使用している限り、安全性にも問題はありません。それに加えて1日3回、食後にキシリトールを摂れば、むし歯の原因となる菌をおさえ、歯をガードします。そこではフッ素が寄り効果的に働き、さらにむし歯予防効果がアップします。

フッ素には、次のような予防効果があります。

フッ素の働き
1.歯の再石灰化を促進する
歯が溶かされ始めた部分を修復し、初期むし歯を正常に戻してくれます。
プラークの中で作りだされる酸によってカルシウムやリンなどのミネラルが溶け出します。これを脱灰といいます。脱灰が進むとむし歯になります。

ごく初期の脱灰部分には、唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンが再び歯にもどって修復されます。これを再石灰化といいます。

2.歯の質を強くする
フッ素は歯の表面を硬くします。

むし歯菌の酸に溶かされにくい強い歯にする効果があります。

3.むし歯菌の働きを弱める
むし歯菌の働きを邪魔して、歯を溶かす酸を出しにくくする効果があります。


対象
フッ化物の応用は、以下の方に特に有効といわれています。

●4歳から15歳くらいまで生えたての歯は、表面のエナメル質といわれる部分が成熟していないため、この時期は、フッ素に寄るむし歯予防効果が特に期待できます。
●矯正治療中の患者様のむし歯
●成人の歯と歯の間にできるむし歯
●高齢者の根面にできるむし歯

フッ素は、あくまでもむし歯の予防と初期のむし歯の進行抑制に対してのみ有効です。すでに穴があいていたり、痛みが出てきているような進行したむし歯がある場合には、できるだけ早く歯科医院を受診することをおすすめします。

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歯のクリーニングでバイオフィルムを崩壊

「バイオフィルム」は、菌が産生した粘液状の隠れ家の中で、細菌の塊を形成した状態をいいます。イメージ的にはビニールハウスに守られた中で、ぬくぬくと細菌たちが気持ちよく居座っている状態です。バイオフィルムはむし歯だけではなく歯周病の原因にもなります。バイオフィルムを退治するには、抗菌剤などの薬剤では歯が立たず、機械的に破壊して除去するしか方法がありません。したがって、歯磨きでバイオフィルムを掻きだすことが基本ですが、歯磨きって簡単のようでかなり難しいのです。特に歯と歯の間とか歯と歯茎の間など、どうしても磨き残しが出やすいのです。

バイオフィルムは少しでも取り残しがあると、すぐに増殖し始めるので、完全に除去することが大事です。そこで登場するのが、お口のクリーニング(PMTC)。お口のクリーニングとは、「専門家による歯の面の機械的清掃」で、歯ブラシでは完全に取り除くことが難しいバイオフィルムを除去することができます。

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